今回紹介する本は題名の通り、バッタを倒しにアフリカのモーリタニアに渡った一人の男の物語である。
舞台はアフリカ大陸の左端に位置するモーリタニア、ほとんど知らない国だったけど少なからず日本にも縁があるようだ。例えば某有名たこ焼き店のタコはここから輸入しているらしい。一夫多妻制で4人まで妻は4人までOKとのこと。まず行くことはない砂漠の国なので想像することは楽しい。
面白かったのは、バッタの生態について知らないことだらけだったことです。孤独相のバッタは緑色であるが、群れると群生相に突然変異し、翅(はね)が長くなり飛ぶ能力も上がること。バッタとイナゴの違い、水さえ飲めば1週間以上も食べずに飛ぶことができるなど・・。
ただ、一番興味深かったのは著者の前野 ウルド 浩太郎さんの人生である。小さい頃からファーブルに憧れ、バッタアレルギーなのにバッタをこよなく愛する。アフリカに単身で渡り、過酷な環境の中一所懸命研究をつづける姿。一時はバッタ研究のピンチに陥りながらも見事に復活する様子は私たちに生きる勇気を与えてくれます。
まだまだバッタとの戦いは続くようですが、これからも頑張ってほしいと思いました。